猫のジャンプ力は体高の5倍!?その理由やまさかのジャンプ失敗動画までご紹介

猫には、その小さな体からは考えられないほどのジャンプ力があります。高いところを飛び移る姿を見ると、普段ごろごろと寝転がっているのとはまるで別の動物のように見えますよね。では、なぜ猫には高いジャンプ力があるのでしょうか。その秘密や、快適にジャンプを楽しめるようにするための環境づくりについて解説します。

猫のジャンプ力が高いのには理由がある!どれくらいの高さまで飛べるの?

猫 ジャンプ

猫は日常生活のなかで、高所間を軽々と飛び越えたり、高い位置にあるものをジャンプして取ろうとするなど、優れたジャンプ力を見せることがあります。

あまりの高さに「そんなに飛ぶの?」と驚く人も多いでしょう。では、猫の高いジャンプ力には、どういった理由が隠れているのでしょうか。

猫のジャンプ力が高いのはなぜ?

気分屋として有名な猫ですが、さすがに飛びたい気分だったからという理由で高いジャンプができるわけではありません。

猫だからこそ高くジャンプできる理由は、以下の4つが考えられます。

  • 狩猟本能があるから
  • 猫はもともと肉食動物で、狩りをして食糧確保をしていました。今やペットとして飼われている子は、狩りをする必要はありませんが、今でもその名残は残っています。

    猫の狩猟スタイルは、身をかがめてじっと獲物を観察し、タイミングを図って一気に襲い掛かる奇襲です。

    成功させるためには、素早く動けるだけの瞬発力が必要となります。場合によっては高いところからジャンプして襲い掛かることもあるため、猫には高いジャンプ力が備わっているのです。

  • 先祖が木の上で生活する動物だから
  • 現代の犬や猫などの祖先と言われているのが「ミアキス」という動物です。約6,000万年前の動物で、木の上で生活をしていたと考えられています。

    その後、2,000~2,500万年前にプロアイルルスやプセウダエルルスなどの猫の祖先が登場し、1,200万年前にネコ科が誕生して現在に至ります。

    このように、たくさんの進化を経て今の猫に至るのですが、猫の祖先は、みな木の上にいることを好んでいたようです。

    つまり、木登りだけでなく、木から木へ飛び移ったり、高所からジャンプをして降りるのが得意だったと考えられます。その名残が、現代の猫にも残っているのでしょう。

  • 柔軟な体がバネになっているから
  • 猫の背骨は、人間に比べてとてもしなやかに曲がる柔軟性があります。体を丸め、一気に真っ直ぐに伸ばすことにより、背骨がバネの役割を果たし、高いジャンプ力へと導きます。

  • 後足の筋肉が発達しているから
  • 猫の後足には、速筋と呼ばれる瞬発力に長けた筋肉があります。そのため、高いジャンプ力を発揮したり、素早く走ったりすることができるのです。

猫がジャンプできる高さは平均でどれくらい?

猫は、自分の体高の約4~5倍程度の高さまでジャンプをすることができます。猫の平均体高が25~30cmくらいなので、ジャンプの平均的な高さは約125~150cmくらいと言えるでしょう。

なかには、2m近くまでジャンプできる子もいるようです。人間で例えるならば、160cmの人が5倍の高さにジャンプすると、約8mとなります。

これはマンションの3~4階くらいの高さに値するので、想像しただけですごい高さですよね。そう考えると、改めて猫のジャンプ力のすごさが分かります。

猫がジャンプできない理由とは?

猫 見上げる

猫のジャンプを間近で見たい、という人もいるでしょう。しかし、なかには積極的にジャンプをしない子もいます。その場合は、以下の5つの理由が考えられます。

老化

猫は、高いところを好む傾向があります。しかし、低い場所にしか行かなくなったり、キャットタワーなどに登らなくなったりした場合は、老化が原因かもしれません。

シニア期になると、筋力が衰えてくるだけでなく、視力や聴力などの様々な機能も低下してきます。そのため、高いところに行くのが怖くなったり、ジャンプに対する恐怖心が出てきてしまうと考えらえます。

病気や怪我をしている

ジャンプはするけれど、回数が減ったという場合は、体調不良が考えられます。考えられるものは貧血やリンパ腫、猫風邪など様々で、そのつらさから活発に遊ぶ元気がなくなってしまう可能性があります。

ジャンプ以外に、食欲の低下や歩き方がふらついているなどの様子も見られるため、異変を感じたら動物病院で診てもらいましょう。

また、病気以外に怪我も原因として考えられます。足を脱臼していたり、爪が折れていたりすると、痛みからジャンプができなくなるだけでなく、歩き方も変になります。

よほどの痛みであれば、猫自身が鳴き声で教えてくれることもありますが、なかには怪我に気づかない子もいます。そのまま怪我が悪化する場合もあるので、日頃から愛猫の様子を見てあげることを習慣にするのが大切です。

肥満でうまく体が動かせない

運動不足になると、自慢の筋力も徐々に衰えていきます。そのうえ、肥満で体重が増えてしまうと、ジャンプをする際により負荷がかかるため、猫はジャンプをしなくなります。

日々愛猫と生活をしていると、太ったことに気づけない人もいるでしょう。しかし、歩き方や遊び方、ジャンプの有無などから、体型の変化を察することもできます。

「最近あまりキャットタワーで遊ばなくなった」などの変化を感じたら、一度体重を測ってみましょう。

ジャンプの失敗による恐怖心

木登りやジャンプなど、高いところが得意な猫ですが、時折ジャンプを失敗してしまうことがあります。

低い位置であれば大事には至らないことがほとんどですが、高い位置の場合は大怪我をすることも考えられます。その失敗が、猫に恐怖心を植え付けてしまい、ジャンプをするのを嫌がるようになってしまうようです。

ストレス

病気や怪我、体重などをチェックしても、異常が見つからなかったという場合は、ストレスが原因かもしれません。猫は繊細な神経の持ち主なので、ストレスを感じやすい傾向があります。

ストレスがたまっていると、いつも遊んでいるおもちゃで遊ばない、毛づくろいをしない、ジャンプをしないなど、様々な異変が見られます。

ストレスを解消してあげれば、またジャンプをするようになるかもしれませんよ。

猫がジャンプを楽しめるよう飼い主ができること4つ

キャットタワー

猫は、ジャンプをして遊ぶのが大好きです。そのため、室内の家具の間を飛び移ったり、高い棚に登って飛び降りるなどして遊んでいる子も多いでしょう。

ジャンプが遊びの一環となっているので、室内でもっと楽しく遊べるよう、環境を整えてあげてはいかがでしょうか。

ここでは、愛猫のために飼い主がしてあげられることを4つ紹介します。

キャットタワーなどのおもちゃを用意する

キャットタワーは、猫が好きな要素がいくつも搭載された猫グッズです。デザインは商品によって様々ですが、高さがあるため、ジャンプをしたり登ったりなどの上下運動に役立ちます。

自宅にキャットタワーがない、これから準備しようという人のために、おすすめの商品を2つ紹介します。

SONGMICS

力学的原理に基づいてデザインされており、高さがあっても安定感は抜群です。猫が思いっきり飛び乗ってきても揺れにくいため、飼い主も安心して見守ってあげられますね。

下の段にはハンモックがあり、上まで登ると紐に吊り下げられたボールがあります。猫の遊び心をくすぐるポイントがたくさんある、魅力的なキャットタワーです。

アイリスプラザ キャットランド

ねずみのおもちゃがついており、家にいながら様々な角度で猫の狩猟欲求を満たしてくれます。また、上に登るためのはしごもついているため、ジャンプが苦手な子でも安心して遊ぶことができそうですね。

運動をさせて肥満を防止する

毎日ごろごろとしているだけでは、筋肉は衰えていく一方です。動くのが億劫になり、次第にジャンプをする姿も見られなくなるでしょう。

それを防ぐために、飼い主が体を動かして遊べるよう工夫をしてあげましょう。

猫じゃらしで一緒に遊んであげたり、上下運動がしやすいよう高さの違う棚を並べたりなど、室内でもしっかり体を動かせる環境を作ってあげるのです。飼い主が一緒なら、猫も喜んで体を動かしてくれるでしょう。

ステップを用意する

いきなり高いところからジャンプをするのは、子猫や老猫からすればハードルが高いですよね。そこで、ジャンプが苦手な子でも気軽に挑戦できるようなステップを用意してあげましょう。

登ったり下りたりの繰り返しなので、上下運動にもなりますよ。おすすめのステップは以下の2つです。

petsfit 組立式ステップ2段

2段の組み立て式で、ソファーやベッドなどの高い場所に登るためのステップとして役立ちます。もちろん、おもちゃとして置いておくのもおすすめですよ。

キャットタワーと違って、必要のないときは折りたたんでコンパクトに収納することができます。取り外し可能なカバーがふわふわなので、遊び疲れたときの休憩場所にもなりそうですね。

くらふと工房クレアル ステップトンネル

ダンボール製の3段ステップです。猫はダンボール好きな傾向があるので、きっと抵抗なく遊んでくれるでしょう。段差の下にはトンネルもあり、いろんな遊び方が楽しめそうですね。

ステップを横向きに置けば高さは40cm、縦向きに置けば80cmになります。ジャンプに慣れていない子は横向き、ジャンプが大好きな子であれば縦向き、という風に、愛猫に合わせて変えられるのも嬉しいですね。

室内を安全な環境に整える

部屋が散らかっていたり、ぶつかると危険なインテリア雑貨が置かれていたりすると、猫がジャンプをしたことで怪我をする恐れがあります。

ジャンプの失敗や怪我は、猫にとって大きな恐怖心となって残ってしまうでしょう。それを防ぐためにも、部屋のなかはできるだけ安全な環境に整えてあげてください。

ジャンプに失敗しても大丈夫なようにマットを敷いておいたり、棚の角にぶつかっても怪我をしないようカバーをつけたりすれば、怪我のリスクも抑えられるはずです。

思わず笑ってしまう猫のジャンプ失敗動画3選

猫にとっては笑いごとではないかもしれませんが、見ているこちらからすれば、ジャンプを失敗した姿は、ちょっと間抜けで健気な姿に笑ってしまいますよね。

そんな猫の可愛らしく頑張っている姿が見られる動画を3つ紹介します。

猫のジャンプ失敗

雪が積もった車の上からジャンプをする動画です。ジャンプをするために背中を丸め、態勢を整えたまではよかったのですが、次の瞬間には雪で滑ってしまってうまく飛べなかったようで画面外に大きな音を立てて消えていきます。

ジャンプをしたい気持ちと、滑らないよう必死になっている姿が、なんとも愛らしいですね。

ジャンプに失敗する猫

キャットタワーにいる猫と、飼い主が紐のおもちゃで遊んでいるのを垣間見れる動画です。後ろの足場に飛び移ろうとしてドテっと失敗しますが、それでもなお紐を追いかける姿は、まさに猫の鑑です。

ジャンプに失敗しても驚いていないあたり、もしかすると日常茶飯事の光景なのかもしれませんね。

猫のダイビング失敗

明るい窓の方へ行きたかったのでしょう。猫の顔は窓から差し込む光をいっぱいに浴びています。背中を丸め、いざ光のある方へとジャンプをして見せますが、びっくりするほど手足が伸びず、ジャンプ失敗となりました。

飼い主さんたちの愛ある笑い声も漏れています。次はぜひ、成功してほしいですね。

猫のジャンプ写真画像を集めた「飛び猫写真展」に行こう!

飛び猫
【画像引用】五十嵐健太 飛び猫

猫の写真展は全国各地で開催されていますが、そのなかでも特に目を引くのが「飛び猫写真展」です。

写真家の五十嵐健太さんの作品で、猫がごろごろとしている姿だけでなく、ジャンプをする姿を中心に展示されています。今にも写真から飛び出してきそうな躍動感からは、猫の野生的な魅力を感じられるでしょう。

写真展は、今までに東京や大阪、福岡などの様々な地で開催されてきました。今後も多くのイベント開催が期待されるため、飛び猫の魅力を堪能しに出かけてみてはいかがでしょうか。

公式サイトはコチラ

猫のジャンプ姿は可愛いけれど怪我に注意しよう

ジャンプをして活発に遊ぶ猫の姿は、見ていてとても可愛らしいですよね。猫は、飛ぶ力だけでなく、着地も安定してできるため、多少高いところからのジャンプでも、安心して見守ることができるでしょう。

しかし、なかにはジャンプに失敗し、思わぬ怪我を負ってしまう子もいます。そのため、愛猫が安心してジャンプができるよう、環境を整えたり、健康管理を行なって、いつまでも大好きなジャンプで遊べるようにサポートしてあげてください。