エキゾチックショートヘアという猫をご存知ですか?最近はテレビのCMでも見かけるようになった猫種ですが、エキゾチックとは、「異国風の」「見慣れない」という意味があります。確かに猫の中では特徴がある顔が印象的です。その見た目から「ブサカワ」などと言われることもあるエキゾチックショートヘアの性格や飼い方などについて解説していきます。
目次
エキゾチックショートヘアの基礎知識
エキゾチックショートヘアの歴史
エキゾチックショートヘアが生み出されることになったきっかけは、「ペルシャ猫の美しさを持った短毛種の猫」を作りたいというアメリカのブリーダーたちの尽力によるものでした。
1960年代に人気があったペルシャ猫はキャットショーで人気がある猫種でしたが、長毛種ということで美しい毛並みを維持するのが大変だったのです。
そして、「上品で美しいペルシャ猫の毛色を受け継いだ猫」を、との目的も加え、短毛種で人気があるアメリカンショートヘアやバーミーズなどの猫種との交配を試みてエキゾチックショートヘアが作られました。
こうしてブリーダーたちが作り出したエキゾチックショートヘアは、「短毛種のペルシャ猫・エキゾチックショートヘア」として、1966年に世界最大の愛猫協会であるCFAから公認されています。
比較的新しい猫種ということで、エキゾチックショートヘアのペアから長毛種の猫が生まれることがあります。この場合、団体によってペルシャとして登録するか、ロングヘアード・エキゾチックと呼ぶなど規定は変わってきます。
エキゾチックショートヘアの特徴
エキゾチックショートヘアはペルシャ猫の特徴を受け継いだ猫で、見た目もよく似ています。頭部が丸くて小さな耳をしていて、足は短くしっかりして全体的にずんぐりとした筋肉質な体をしています。
そして、エキゾチックショートヘアといえば、つぶれた鼻でしょう。アメリカンショートヘアの血を受け継いで活発な面があるものの、ペルシャ猫のように運動が苦手な面もあります。
平均体重はオスは4~7kgで、メスは3~6kg程で、一般的な猫と同じくらいの体重です。エキゾチックショートヘアは肥満体質なので、食事の管理をしっかり行わないといけません。
エキゾチックショートヘアの毛色
エキゾチックショートヘアの毛は短毛種の中では少し長めで、ふわふわの触り心地をしています。
毛色はさまざまな色があり、ペルシャやアメリカンショートヘアで公認されている色は全ての色が出ます。ホワイト、クリーム、ブルー、レッド、各色のタビーやバイカラー、スモーク、三毛などの毛色があります。
ショートヘア
エキゾチックショートヘアはペルシャ猫の短毛種を作ろうとした猫なので、基本的には短毛種です。
アメリカの登録団体であるCFA(アメリカ・キャットファンシャーズ協会)は「エキゾチックショートヘア」を1966年に公認しました。
しかし、その後1987年に「エキゾチック」と名を改めました。エキゾチックとは短毛のエキゾチックショートヘアのことをいいます。
ロングヘア
CFAが「エキゾチックショートヘア」を「エキゾチック」と変更した理由は、エキゾチックショートヘア同士の子どもにロングヘアが生まれることがあるからです。
登録団体によっては長毛のエキゾチックはペルシャ猫として登録するところもありますが、CFAは短毛種も長毛種もどちらも「エキゾチック」として認めています。
エキゾチックショートヘアを迎える方法
ブリーダー
エキゾチックショートヘアは最近は日本でも人気が出てきているので、専門のブリーダーさんも増えてきています。
ブリーダーさんから迎えるメリットは、その子の性格やクセなどが聞けることです。また、迎えようとしている子の親や兄妹の様子や生まれた環境を見せてもらえるので、安心感を得られるでしょう。
そして、多くのブリーダーさんは猫の飼育方法や世話の仕方について相談に乗ってくれるので、初めて猫を飼育する人は安心ですね。
ペットショップ
エキゾチックショートヘアを迎える方法のひとつにペットショップがあります。エキゾチックショートヘアはまだ珍しい猫種なので、どこのペットショップにもいるとは限りません。
しかしペットショップではケージやトイレなど飼育に必要なものが揃えられ、店員さんに必要なものを教えてもらえます。
里親募集
猫を迎える方法のひとつに、保護猫を選ぶ方法があります。保護団体の中には野良猫を保護しているだけでなく、やむを得ない理由で猫を飼えなくなった飼い主さんから猫を引き取って新しい飼い主さんを探している団体もあります。
エキゾチックショートヘアのような血統書付きの猫に出会えるのは難しいかもしれませんが、猫を迎えることを考えたときに里親になる方法があることを知っておくのもいいのではないでしょうか。
エキゾチックショートヘアの性格
穏やかでおとなしい
エキゾチックショートヘアは、温厚でおとなしい性格をしています。アメリカンショートヘアのような活発な面もありますが、動きは優しくおっとりしています。穏やかな性格は他の動物や小さな子どもとの生活に向いているといえるでしょう。
甘えん坊
猫の中には飼い主さんのことが大好きだけど、抱っこが嫌いな子がいます。エキゾチックショートヘアは抱っこも撫でられるのも大好きな猫種です。飼い主さんのそばにいたくてトイレやお風呂まで付いて行き、ドアの前で待つ子もいます。
ペルシャ猫の穏やかな性格が遺伝しているのか、爪切りやお風呂も嫌がらずおとなしくしている子が多いのも特徴のひとつです。
愛情深い
エキゾチックショートヘアは争いが嫌いで平和主義の性格をしています。そのため、多頭飼いに向いている猫種といえるでしょう。基本的に他の動物に対しても威嚇したりすることはあまりなく、愛情深い性格をしています。
おとなしい
エキゾチックショートヘアはペルシャ猫のおとなしい性格も引き継いでいます。他の猫種と比較すると運動量が少ないので、走り回ったり高い場所に乗ったりすることはあまりありません。大声を出して鳴くこともほとんどないので、集合住宅で飼うのに向いています。
エキゾチックショートヘアの性格に合わせた飼育について
留守番が短く相手をしてあげられる
飼い主さんが大好きで甘えん坊の性格をしているエキゾチックショートヘアは、飼い主さんと過ごすことが好きです。そのため、留守番時間が長いと寂しくてストレスをためてしまう可能性があります。
エキゾチックショートヘアを飼うのは、できるだけ留守番が短くて遊び相手になってあげられる人が向いているでしょう。
小さな子どもや他のペットがいても大丈夫
愛情深く平和主義のエキゾチックショートヘアは、他の動物に攻撃的にならないので多頭飼育に向いているといえるでしょう。
また、猫は小さな子どもが苦手な子が多いのですが、エキゾチックショートヘアは小さな子どもと暮らすのに適しています。
猫初心者に向いている
基本的に猫は抱っこや爪切り、シャンプーが嫌いですが、エキゾチックショートヘアは抱っこが好きな子が多いです。また、爪切りなどのお手入れもおとなしくさせてくれる子が多いので、猫を初めて飼う人に向いています。
食事の管理が必要
エキゾチックショートヘアは太りやすい体質をしているので、普段から食事の管理が大事です。遊び好きな面がある一方で、それほど運動量が多いわけではないので肥満に気をつけなければなりません。
食事の量は年齢や体重を重視しがちですが、それに加えて運動量を考えて食事の量を加減する必要があります。あまり動かないのにカロリーが高いご飯をあげていたら肥満になる恐れがあります。
また、エキゾチックショートヘアは飼い主さんのそばにいることが好きで、相手をしてほしい性格をしているのでその性格を生かして、遊びに誘って運動させましょう。猫が好きなおもちゃを使い瞬発力を生かした遊び方をし、肥満を予防しましょう。
エキゾチックショートヘアがかかりやすい病気
多発性嚢胞腎
エキゾチックショートヘアがかかりやすい病気のひとつに、「多発性嚢胞腎」という病気があります。これは、遺伝性の病気で腎臓に水がたまり袋ができる病気です。そのせいで腎臓の働きが低下し、腎臓が肥大して疲れやすく食欲がなくなることがあります。
症状が進行して慢性腎不全になってしまうと有効な治療方法がないので、きれいな水を飲ませるようにしてトイレをまめに掃除しておくことが重要です。
猫はきれい好きな動物なので、トイレが汚れているとおしっこを我慢してしまうことがあります。おしっこを我慢すると腎臓に負担がかかるので注意しましょう。
白内障
猫が白内障にかかることはあまりないのですが、エキゾチックショートヘア、ペルシャ猫、バーマン、ヒマラヤンなどは白内障にかかるリスクがあります。
白内障は目の奥が白くなって物が見えにくくなり、光を眩しく感じるので暗い場所にいることが多くなります。白内障は初期に目薬などで治療をすることができますが、ひどくなると手術が必要になります。普段から猫の様子を観察して、普段と様子が異なるようだったら動物病院で診察を受けましょう。
流涙症
流涙症とは涙がうまくできずに溜まってしまい、涙が流れ出て止まらなくなってしまう病気をいいます。エキゾチックショートヘアは潰れた鼻と目の構造から、流涙症になりやすいので注意が必要です。
この病気は目の刺激や涙の通り道が詰まってしまうため発症しますが、目やにが多くなったり涙が多くなったら病院で診察を受けましょう。
鼻づまり
エキゾチックショートヘアは他の猫に比べると特殊な鼻を持っています。そのため、鼻に汚れがたまりやすいので、こまめな手入れが重要です。
鼻呼吸ができなくて苦しそうにしていたら鼻掃除をしてあげましょう。それでも改善しない場合は動物病院へ連れて行きましょう。
しつけを怠らずエキゾチックショートヘアと楽しく暮らそう
猫はしつけができないと思っている人は多いかもしれませんが、根気よくしつければしつけることが可能です。人間と一緒に暮らしていく中でしつけは必要です。
猫のしつけは飼い主さんが先回りして、やらないように工夫することから始めます。例えば、ソファーで爪とぎしてほしくない場合は爪とぎ器を設置してそこで爪とぎするように誘導します。爪とぎ器の素材はいろいろあるので、愛猫がどの素材が好きか探りましょう。
そして、大切なのは絶対に叩いたり怒鳴ったりしないことです。猫に怖い思いをさせると飼い主さんとの信頼関係が悪くなってしまいます。
焦らず根気よくしつけを頑張って、飼い主さんのことが大好きで穏やかなエキゾチックショートヘアとの生活をぜひ楽しんでくださいね。