猫の寝相が悪い、仰向けで寝ていて人間みたいなど、猫の寝相に関してたくさんの声があります。猫の寝相には飼い主に対しての気持ちを表していることを知っていますか?それぞれの意味を見ていきましょう。
目次
猫の睡眠について!ずっと寝ているけど病気じゃないの?
猫は何時間くらい眠るの?
猫はよく寝る動物で、1日のうち14~18時間も寝ているので、「寝る子」から「ネコ」と呼ばれるようになったとの説があるほどです。
では、どうして猫はこんな長い時間寝るのでしょうか。猫は野生だった頃、狩りをして暮らしていました。猫が獲物にしていた小動物は夜行性が多かったので、夜の狩りに向けて昼間は眠って体力を温存していました。
飼い猫になった現在では狩りをする必要はなくなりましたが、野生の名残でよく眠るのです。
気温で変わる猫の寝相
猫は気温によって寝相が変わるといわれています。猫は気温13℃以下だと丸くなって眠るとされていますが、気温が上がっていくと身体が伸びていき、21℃以上になると身体を伸ばして寝ることが多いのです。確かに、冬は丸くなって夏は伸びて寝ていますよね。

猫の寝相でわかる気持ち
足を揃えて地面につけて寝る
猫の寝相は気温だけでなく、気持ちによっても変わることがあります。その寝相によって飼い主さんに心を許しているのか、警戒しているのかが分かります。
猫が前足を揃えて、足の裏を地面につけたまま寝ているときは、警戒しているときの寝方です。この体勢だと身に危険が及んだ時、すぐに動けます。
目を閉じているので、完全に警戒しているわけではありませんが、何か物音がしたり敵の気配を感じたら瞬時に動けるように足を地面につけているのです。
前足を身体の下に入れて香箱座りで寝る
足を地面につけず、座った状態で前足を身体の下にしまっている寝相で寝ている場合、とっさの場合はすぐに動けないため、くつろいでいる証拠です。前足の足の裏を上に向けるようにして寝るときもありますが、この寝方を「香箱座り」といいます。
前足で顔を隠して寝る
最近、猫好きの間で話題の「ごめん寝」という寝相。これは、土下座をして「ごめんなさい」とするような格好で顔を床に埋めるように寝ることから、このような名前がつきました。
この寝相をしているときは、光が眩しいときです。昼間に寝るときや電気がついているときに目を隠すようにして寝るときがありますが、自分で目を隠して眠りやすいようにしているのです。
部屋の中で薄暗い場所もありますが、気温な適温ではなかったり眩しくても飼い主さんのそばで寝たいから目を隠すのです。
ごめん寝の他にも、身体を丸めたり伸ばして目を隠すことがありますが、これも同じように眩しいためです。猫がこのような寝相をしていたら、電気を暗くしてあげたり毛布をかけて暗くしてあげるといいでしょう。
足を伸ばして横たわる
猫が足を伸ばした寝相をしているときは、完全にリラックスしているときです。警戒心が強い猫は、心から安心できる場所でないとこのような寝相で寝ません。
警戒している場合はすぐに逃げられるように、足を地面につけているので足を伸ばして身体全体をリラックスして寝ているときは、飼い主さんのことを信頼して安心して眠っているということになります。
仰向けになってお腹を見せている
猫が仰向けになってお腹を見せて寝ている姿を「ヘソ天」と呼ぶことがあります。おへそを天に向けた寝相なので、このような呼び方がされるようになりました。
猫の一番の急所であるお腹を無防備に見せて寝ているのは、最大級のリラックスの証です。その環境や飼い主さんのことを心から信頼し、そこで寝ていても怖いことがないと分かっているのでそんな寝相で眠ることができるのです。
飼い猫がこのような寝相で寝ていたら、飼い主さんのことを信頼している証ですので、猫が「自分は幸せだよ」と言っているのと同じです。飼い主冥利につきる寝相がこのヘソ天です。
お尻を向けて寝ている
猫が飼い主さんにお尻を向けて寝ることあります。このような状態のときの猫の気持ちはどうなのでしょうか。猫は敵が前から来たときはすぐ逃げることができますが、後ろから来たときはすぐ逃げられません。
このことから、子猫は親猫にお尻を向けて眠ります。もしも敵が来た時に、親猫が守ってくれるのを信じているからです。これと同じように、猫がお尻を向けて寝ているときは飼い主さんのことを信頼している証拠です。

寝相だけじゃない!寝る場所で分かる猫の気持ち
狭い箱など
猫は箱などの狭い場所に入るのが好きです。気づくと、捨てようと思って置いておいたダンボールの中で寝ていることがあります。これは、野生のときの習性が今でも残っているためです。
野生の頃、猫は砂に穴を堀ってその中で暮らしていました。猫の祖先は砂漠で暮らしていましたが、砂漠では昼間は大変暑いのですが、砂を堀り暑さを凌ぐとともに敵から身を隠して暮らしていました。この名残から、猫は今でも狭くて暗い場所が好きなのです。
猫の性格によりますが、怖がりな猫の場合は家に知らない人が来たら怯えて、狭くて全体を覆われた場所に隠れたがります。
猫のストレスをためないように、何かあったときに隠れられる狭い場所を作っておいてあげるのは大切なことです。身体がすっぽり隠れるベッドやダンボールなどを部屋の隅に置いておいてあげるといいでしょう。
高い場所
猫が高い場所を好むのは野生の名残です。高い場所からだと獲物が見つけやすいことと、敵から身を守ることができるためです。飼い猫になってからも、高い場所からまわりを見渡してくつろぐのが好きなようです。
キャットタワーやタンスの上に乗って寝るのが好きな猫が多いのはこのためです。高い場所に登るのは運動不足解消にもつながるので、キャットタワーやキャットウォークを用意してあげましょう。
飼い主さんの足の間
飼い主さんの布団の中に潜ってくる猫がいますが、猫の寝る場所で飼い主さんへの信頼度が分かるといわれています。飼い主さんの顔の近くで寝るほど、飼い主さんへの信頼度が高いのです。そのため、足の間で寝る場合は一緒に寝たいけど、少しだけ距離を置いておきたいなという気持ちの表れです。
飼い主さんに腕枕
猫が飼い主さんの布団に潜り込んでくる事自体、もうすでに信頼関係が築けているといえますが、前述したように猫が寝る場所によって飼い主さんへの信頼度が分かります。
飼い主さんの顔のそばで寝る場合は信頼されている証拠です。飼い主さんの腕枕で寝るということは、顔の近くで眠るので猫は飼い主さんのことをとても信頼しているといえます。
猫が飼い主さんの腕枕が好きな理由は、飼い主さんのことが好きなだけではないのです。猫は人間の脇のニオイが好きだという説があるのです。
人間の脇から分泌されるニオイが母猫の乳首から出るニオイに似ているため、猫は人間の脇のニオイを嗅ぐのです。中には飼い主さんの脇に頭をぐいぐいと突っ込んでくる猫がいますが、この行動は子猫が母猫の毛をかき分けて乳首を探すときの行動です。
この行動をするときは、甘えん坊モードになって飼い主さんに甘えているのです。

猫の寝相のなぞ
猫が寝る場所をよく変えるのはなぜ?
猫がしょっちゅう寝る場所を変えるのは何か理由があるのでしょうか。これは、猫が自分で快適な場所を探して移動しているのです。猫の体温は夜に比べると朝のほうが0.5℃程度体温が低く、また走り回ったりすることで体温が変化します。
猫は足の裏にしか汗腺がないため、快適な温度の場所に移動して体温調整しているのです。
どこでも寝られるよう部屋の環境を整えておくことはもちろん、下記のようなベッドを用意してあげても良いですね。
寝る前に布団をふみふみするのはなぜ?
すべての猫がやる行動ではありませんが、猫の中に、眠る前に布団を前足でふみふみする子がいます。この行動はどのような意味があるのでしょうか。
猫は子猫のとき、母猫の母乳を飲む時に前足を使って、おっぱいをふみふみして母乳の出をよくしようとします。この行動を成猫になっても行う場合があり、ふみふみをする素材は猫によって好みがあります。毛布のような素材が好きな猫や羽毛布団のような素材が好きな猫もいます。
寝覚めたときの大あくびと伸びの意味は?
猫は寝て起きた時に、必ずといっていいほど大あくびをします。口を思い切り開けて大きなあくびをするので、寝足りないのかと思ってしまいますが、このあくびは寝不足なのでなく酸素不足解消のためにするのです。
あくびをした後は、前脚を伸ばして思い切り背中を伸ばしストレッチをしますが、このポーズをすることで酸素を身体中に行き渡るようにしています。寝ている時に酸素が足りなくなるので、起きてからあくびとストレッチが必要なのですね。
猫は夢を見たり寝言を言うの?
猫は人間と同じように夢を見たり寝言を言うことが分かっています。猫が寝ているのに、急に「ニャア」と言ったり、手足を動かすのを見たことはありませんか?
猫も人間と同じように睡眠中に脳が活発になっているレム睡眠のときに寝言を言うのです。猫が寝言を言うほどリラックスして寝ているということは、飼い主さんのことを信頼している証拠といえます。

猫に快適な睡眠を!
1日の大半を寝て過ごしている猫ですが、実は14~18時間中熟睡しているのは3時間程だといわれています。あとの時間は、物音がしたりそばを人が通ったら目を覚ますほど浅い眠りです。
だからこそ、猫がお腹を見せてリラックスしている寝相のときはそっと眠らせてあげましょう。可愛くてついつい触りたくなってしまいますが、そこは我慢です。
また、気温によっても寝相は変わりますので、愛猫の寝相を見て「夏になったな」と感じる飼い主さんは多いのではないでしょうか。
飼い猫の寝相で飼い主さんへの信頼度がわかったと思います。自分のそばでヘソ天で寝ている姿を眺めるほど、幸せなことはないのです。
