大型犬には、大きな体とパワーがあるのとは裏腹に繊細な部分があるのを知っていますか?そのため、ドッグフード選びも慎重に行なってあげる必要があります。この記事では、どんなことに気を付けなければならないのか、また、大型犬用のドッグフードでおすすめの商品も合わせて紹介します。
目次
大型犬ドッグフードの特徴
大型犬は、成犬になると体重が25kg以上になります。代表的な犬種としてゴールデンレトリーバーやドーベルマンなどが挙げられ、賢く従順な性格が多く見られます。そんな大型犬が食べるドッグフードには、いくつかの特徴があります。
カロリーは低め
1kgあたりの必要なエネルギーは、約50kcalです。体が大きいためエネルギーがたくさん必要なのでは、と思っている人もいるかもしれませんが、実は小型犬や中型犬に比べて少ないという特徴があります。
特に、室内で大型犬を飼っているとなると、運動量が少なくなる傾向があるため、よりカロリーの消費は少なくなるでしょう。
粒の形状が様々
大型犬は、あまり噛まずに飲み込んでしまうという癖があります。そのため、ドッグフードをしっかり噛んで食べさせるために大粒で、様々な形状をしているのが特徴です。オーソドックスな丸形や楕円形はもちろんのこと、S字型なども見られます。
カルシウムが多め
大きな体を支えるために、丈夫な骨を維持する必要があります。そのため、大型犬ドッグフードにはカルシウムが豊富に含まれており、その吸収を助けるためのビタミンやミネラル類もバランス良く配合されています。
大型犬の食事で気を付けるべきポイント
大型犬用のドッグフードを選ぶ際には、必ず見ておくべきポイントがあります。それらを無視して選んでしまうと、栄養不足を招く可能性があるので、何に注意すべきなのかを理解しておきましょう。
関節の健康
大型犬の一番の特徴と言えばその体の大きさです。なかには、40kg以上ある超大型犬と同じくらい大きい犬もいるでしょう。
そんな大きな体を持つ犬は、関節に負担がかかりやすい傾向にあります。骨を強くするためのカルシウムだけではなく、グルコサミンやコンドロイチンなどの関節をサポートしてくれる成分が必要です。
心臓維持
心臓は、全身に血液を送るためのポンプの役割をしていますが、体が大きければ大きいほど血液循環のためにかかる負担も大きくなります。大型犬には心臓維持に配慮したドッグフードを選んであげましょう。
腸内環境ケア
大型犬は消化器官が敏感なので、便がゆるくなる傾向にあります。そのうえ、ドッグフードを噛まずに飲み込んでしまうことから、より腸に負担がかかりやすくなります。
お腹がデリケートな分、腸内環境を整えてあげることが大切です。ドッグフードには食物繊維が含まれているかどうか、消化に良い成分かどうか、またお腹の中でふやけるように作られているかどうかなどをチェックしてあげると良いでしょう。
大型犬のライフステージによるドッグフードの変化
ライフステージによって、大型犬に必要な栄養や量が変わってきます。それぞれの段階でどのような特徴があるのかを解説します。
子犬期
大型犬の子犬期は、生後15~18ヶ月までと長いのが特徴です。1歳くらいになると十分体は大きくなっているのですが、成犬と呼ぶにはまだまだ未熟な段階なので、1歳半近くまでは子犬として分けられます。
そんな子犬期は、丈夫な骨を作っていく大切な時期です。カルシウムの摂取に気を付けたいところですが、与えすぎにも注意が必要です。
成長段階におけるカルシウムの過剰摂取は、骨や関節の異常形成のリスクを高めます。しっかりとした骨を作るために、とたくさん与えるのは逆効果になるので、適切な量を守るようにしましょう。
成犬期
子犬期を過ぎてから5歳くらいが大型犬の成犬期です。長い子犬期にある程度体のベースができているので、その後の成長はゆっくりになります。
大きな体を支えるための骨格作りをしてきたので、今度はそれを維持させるための食生活に変えてあげましょう。また、心臓の健康維持のために適切な体重をキープさせること、運動をさせることが大切です。
シニア期
5~6歳くらいになると、大型犬は徐々に老いていきます。加齢に伴って筋肉が落ちていき、動きもよりゆっくりになっていくので、足への負担が大きくなります。
なかには、足が痛いことが原因で散歩を嫌がる犬も出てくるでしょう。そんなシニアの大型犬には、成犬期に引き続き骨や関節の健康維持を考えた食事を続けてあげる必要があります。
また、食欲が落ちる犬もいるので、食いつきの良さを考えたドッグフードに変えてみるのも良いでしょう。
大型犬にドッグフードを与える量
体は大きいけれど、消費エネルギーが少ないとなると、どれくらいの量を与えれば良いのか分からないという人もいるでしょう。実際に大型犬に与えるドッグフードの量は、明確に決まっているわけではありません。
犬種や体重、1日の運動量などによって変化するので、ドッグフードに記載されているのはあくまで目安でしかないのです。では、どんなポイントを考慮してドッグフードの量を考えていくべきなのかを解説します。
1日400g前後
ドッグフードのカロリーやその他の成分にもよりますが、一般的に1日の給与量は400g程度と覚えておきましょう。
8~9ヶ月を過ぎたら徐々に減らす
子犬期に入る生後2ヶ月頃は、まだたくさんの量が食べられないので400gも必要ありません。しかし、成犬期に向けてしっかりと体を作っていく必要がある子犬期は、成長にあわせて徐々にドッグフードの量を増やしていく必要があります。
量のピークは生後8~9ヶ月頃で、ベースとなる400gを超えて440gくらい食べるでしょう。それ以降は与えすぎると肥満の原因になるので、少しずつまた量を減らしていき、シニア期になると生後2ヶ月頃の量に戻ります。
運動量や季節にあわせて量を変えよう
基本的にゆっくりとした動きをする大型犬ですが、なかには警察犬のように散歩以外でもよく動く犬もいます。また、冬などの寒い時期には体温を上げるためにエネルギーの消費量も多くなります。このように、普段の過ごし方や季節によってドッグフードの量を調整してあげることも必要です。
安くて高品質!大型犬におすすめのドッグフード9選!
大型犬は、他の犬に比べて1日に食べる量も多くなります。手作りの餌ではなく、毎日ドッグフードを与えているという場合は、餌代だけでも大きな出費になるでしょう。
できるだけ安く済ませたいと思う反面、愛犬の健康を守るために品質にもこだわりたいですね。そこで今回は、安くて高品質という2つのポイントを押さえたおすすめのドッグフードを、ライフステージ別に紹介します。
子犬期
成犬になるまではずっと同じドッグフードでなければならない、というわけではないので、食べる量が増えてきたと思ったら少しコストを抑えたものに切り替えるというのも可能です。
しかし、体作りのためにしっかりと栄養をとらせてあげることが大切なので、大きく品質を変えるようなことはないように気を付けましょう。
ナチュラルチョイス プレミアムチキン 子犬用 大型犬用 チキン&玄米
ナチュラルチョイスはニュートロ社の製品です。すべて自社工場で製造しているので、そこから品質の高さやこだわりがうかがえます。
腸が敏感な大型犬のために、消化しやすい乾燥チキンや、善玉菌の餌となるビートパルプという食物繊維を配合しています。その効果で消化率が上がり、糞便の臭いも抑えられるという魅力があります。
大型犬は体を支える骨を作るためにカルシウムが必要ですが、他の犬に比べてミネラル類の吸収率が低いという特徴があります。これでは、せっかくカルシウムが多く配合されたドッグフードを与えても十分に吸収されません。
そこで、吸収率を考えて最適なバランスでミネラル類を配合しているのが、ロイヤルカナンの「マキシ ジュニア」です。消化率90%以上の超高消化性タンパクが使用されているため、腸が敏感な大型犬でも安心して食べられます。ロイヤルカナンは一般的に知名度が高いので、ネットだけではなくホームセンターなどでも入手可能です。
高タンパク低炭水化物をテーマに開発された商品です。一番注目したいのが米、小麦、トウモロコシなどの穀類を使用していないということです。
代わりに、ビタミンやミネラル類が豊富に含まれているオーツ麦を使用することで、腸内環境維持を実現しています。高タンパクはチキン、カレイ、卵をあわせて使うことで実現し、消化が良いうえに犬の食いつきも良いと評判です。
高品質なドッグフードは1kgで2,000円以上するのですが、それらに負けないくらい高品質なアカナの「パピー・ラージ・ブリード」は、1kgで約1,000円です。
ホームセンターなどで見かけるドッグフードに比べると高いのですが、品質の高さを考えれば安い方だと言えるでしょう。
成犬期
成犬期は現状維持を目的とし、安定して食べ続けられるようなドッグフード選びをしていきましょう。徐々にシニアに向けて衰えていく中で、他のドッグフードを出されると警戒する犬もいます。安心して食べ続けられるように、健康維持に着目したドッグフード選びをしましょう。
他の成犬用ドッグフードに比べ、脂質を控えめにしているのが特徴のドッグフードです。そのため、肥満防止にも役立ちます。腸の健康維持のための食物繊維やビタミン、ミネラル類、そして骨の健康維持のためのカルシウムやグルコサミンなど、様々な栄養がバランスよく配合されています。
ユーカヌバは品質だけではなく、コストも魅力的です。1kgあたり2,000~3,000円程度する成犬用プレミアムフードの中でも、この商品は1kgあたりの価格が1,000円をきっています。このコストパフォーマンスの良さがリピーターを生んでいる要因のひとつだと言えるでしょう。
子犬用のものよりもグルコサミンが強化されているので、骨や関節の維持が期待できます。そして、植物性タンパク質を使用せず、原材料中の60%が肉となっています。
これは、市販のドッグフードに比べて約2倍の量に相当するので、高タンパクだというのにもうなずけます。食いつきの良さに定評があるので、子犬期にパピー・ラージ・ブリードを使い、成犬期にはそのまま成犬用に移行するという人も多いようです。
アレルギー対応のドッグフードで、牛肉や小麦、乳製品といった代表的なアレルゲンを一切使用していません。そのため、アレルギーがあって食べられるものに限りがあるという犬でも、食べやすいドッグフードとして人気があります。
配合されているミネラル類には、アミノ酸で包み込む加工を施しており、吸収率が低い大型犬の体でも吸収しやすいよう工夫されています。
シニア期
シニア期はどうしても食欲が低下してしまいます。どうすれば食べてくれるのかを考え、健康維持だけではなく食いつきも視野に入れたドッグフード選びをしましょう。
シニア期は足腰の筋肉だけではなく、心臓の力も弱くなってくるので、心臓の健康を維持するためにL-カルニチンが強化されています。また、筋肉維持のためにタンパク質を多めに配合し、脂質を控えています。
全体的なバランスが良いことで人気のあるユーカヌバのドッグフードですが、シニアには健康維持や肥満防止なども考えられているため、安心して食べ続けられるでしょう。
少し食いつきが悪くなってきたと感じたら、食べやすいようにぬるま湯をかけるのがおすすめです。香りがたちますし、軟らかくなって食べやすくなります。
ナチュラルチョイス プロテインシリーズ ラム&玄米 中型犬~大型犬用 エイジングケア
ドーナツ型のキブルで、コスパの良さが特徴です。チキンやフィッシュに比べ、ラム肉は食いつきが悪いという傾向にありましたが、生肉を使用したことでうま味が活かされ、他のドッグフードに比べて食いつきが良いと定評があります。また、ラム肉を使用したことでビタミンB群や亜鉛が豊富に含まれています。
老化にともなって噛む力が弱まってくることを考慮し、噛み砕きやすいキブルにしています。また、消化の良さや食いつきの良さもあるので、子犬期からシニア期まで一貫してロイヤルカナンを利用しているという飼い主もたくさんいます。
大型犬ドッグフードを正しく選んで犬の健康を守ろう!
大型犬は体が大きい分、様々な部分に負担がかかります。それらを気にかけながらドッグフードの成分をチェックすることが、愛犬を長生きさせることにもつながるのです。
毎日食べるものだからこそ、できるだけ経済的で高品質なものにこだわりたいですね。ドッグフードによっては、市販よりもネットの方が安く手に入ったり、まとめ買いでお得になったりする可能性があるので、気になる商品はチェックしてみてください。