猫の仕草を理解して気持ちを汲み取れると、もっと楽しく過ごせそうですよね。愛猫の仕草を観察して、しっぽが、まばたきが、甘噛みが、示しているそのときの気持ちの意味を把握してみましょう。
猫の仕草が意味することとは?
猫が行なうさまざまな仕草は、一体何を意味しているのでしょうか?
【画像】:ポペットフレンズのミケランジェロちゃん
体を使って気持ちを伝えようとしている
猫は口でしゃべることができないため、体を動かして気持ちを伝えようとしています。しっぽを振ったり、体をこすりつけてきたり、鳴き声を出したりといったように、全身を使って何かを訴えようとしているのです。
意味もなく特定の仕草をしているわけではなく、飼い主さんにわかってもらいたいという思いで行動しているということを理解しておきましょう。
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猫の仕草には、さまざまな種類があります。さっそく仕草が意味することを読み取っていきましょう。
耳の向きが変わるとき
猫の耳は、急に向きが変わるときがあります。耳の動かし方や向きによって、感じていることが異なっているのです。
耳がいろんな方向に動いているとき
どこから音が聞こえているのか気になっているときや、不安な気持ちを抱えている状態を示します。大きな音や聞きなれない音がしたときに、このように動くことが多いです。
耳を前に向けてピンと立てているとき
猫の耳が前に向かってピンと立っているときは、警戒しているサインです。聞こえる音から多くの情報を得ようとしています。慣れない場所や出会ったことのない生き物と遭遇したときなどに、このような耳の動かし方をすることがあります。
ただ、よく知っている自宅の中で耳を立てているときは、人や物事に興味津々になっている状態を示します。
耳を後ろに寝かせたようにしているとき
猫の耳が後ろに寝かせたようになっているときは、恐怖を感じたり怒っている状態です。猫同士でケンカをしているのを見ると、耳が後ろに寝かせたようになっています。
また、大きな音に驚いたときや敵が来ていると感じている際にも、耳が後ろにくっついたようになります。
耳を真横に寝かせているとき
猫が耳を後ろではなく真横に寝かせているときは、リラックス状態であることを示します。気持ちいいと感じているときにも、このような耳になります。
飼い主さんと一緒に過ごしているときやこたつでまったり落ち着いているときに、耳が真横に寝たようになっているでしょう。
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猫はしっぽの動きからも気持ちを読み取ることができます。しっぽの動きにもいろいろあるので、順に紹介しましょう。
しっぽを垂直に立てているとき
嬉しい、甘えたいという気持ちを現しています。お腹が減ってご飯がほしいときや遊んでほしいときにも、しっぽはまっすぐ立ちます。
しっぽがだらんと下がっている
垂直とは反対にしっぽが下方向にだらんと下がっているときは、叱られてしょんぼりしていることを示します。また、病気などで体が不調を抱えているときにも、しっぽは下に垂れ下がります。
しっぽの毛が逆立ち、太くなっている
何かに驚いたり恐怖を感じたときに、このようなしっぽになります。また、相手を威嚇したり、攻撃態勢に入っているときにも、しっぽの毛が逆立ちます。
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耳としっぽは、猫の感情によってさまざまな動き方をする中で、猫にとって欠かせないヒゲも気持ちを表現しています。ヒゲの動かし方で、猫が表している気持ちは異なるのです。
【画像】:ポペットフレンズのそらくん
ヒゲが前を向いているとき
遊びたい、ワクワクするといった気持ちのときに、ヒゲが前に向きます。また、緊張しているときにも、ヒゲが前に向くことが多いです。
一緒に楽しく遊んでいるときのヒゲの様子を一度観察してみましょう。
ヒゲが後ろを向いているとき
ヒゲが後ろを向いているとき、怖くて警戒しているサインになります。急な騒音などに驚いたときにも、ヒゲが後ろに向きます。
ヒゲが上を向いているとき
ヒゲが上を向いていたら、嬉しくてテンションが上がっていると思って良いでしょう。褒められたときに、ヒゲが上向きになることが多いです。
ヒゲが下を向いているとき
眠たい、リラックスして落ち着いているときに、猫のヒゲは下を向きます。また、叱られて下を向いているときは、反省しているサインです。どちらの気持ちでヒゲが下を向いているのか、チェックしてみましょう。
猫のひげは幸運のご利益を運ぶ役割がある?切ることで起こる身体への影響や生え変わる時期とはまばたきが多いときやゆっくりのときは?
猫をよく観察していると、まばたきの様子にも種類があることがわかります。まばたきが多いほど、猫が飼い主さんを信頼しているという証拠であり、アイコンタクトで笑いかけているということなのです。
また、まばたきがゆっくりのときは飼い主さんのことが大好きという気持ちを現しています。
反対に、まばたきをしないときは警戒しているサインです。まばたきは多いほど、猫との信頼関係が築けていると言えるのでしょう。猫のまばたきを観察して、どんな気持ちなのかを理解してみましょう。
全身の様子が変わることもある
猫は体の部位ごとに気持ちを表すことができますが、全身で何かを訴えようとしているときもあります。たとえば、リラックス状態にあるとき、柔らかくしなやかな体になります。
一方、興奮や恐れを抱いたときには体をより大きく見せようと全身の毛を逆立てます。怖いときや不安なときは姿勢が低くなりますのでよく観察しておくことが必要です。
ふみふみ行動は甘えを示す
猫特有の仕草で、毛布などをふみふみすることがあります。このふみふみ行動は、赤ちゃんがえりで甘えている証拠です。
ふみふみすることで母乳がたくさん出てくるという流れから、お母さんに甘えたいときにふみふみ行動をします。また、安心して眠りたいために、ふみふみすることもあります。
飼い主さんのお腹などをふみふみする場合は、お母さんの母乳が出るように踏んでいると思ってよいでしょう。このふみふみ行動は、特に子猫に多いとされています。まだまだお母さんが恋しい月齢の子猫は、飼い主さんにもふみふみしてくることがあります。
飼い主の邪魔をするときは構ってほしいというサイン
猫が飼い主さんの邪魔をするときは、構ってほしいというサインです。飼い主さんが忙しく動いている中で相手をしてほしいと思い、後ろをついて歩いたりくっついたりして邪魔をしようとします。
また、何かに嫉妬をしているときも、飼い主さんの邪魔をすることがあります。猫に妨害されることが多いというときは、構ってほしいという気持ちが現れているのです。忙しくても、後できちんと構ってあげると、猫の気持ちも落ち着くでしょう。
猫が飼い主さんのあとをついてくる理由とは?その心理を知ればますます愛しさが倍増するかも構ってほしくないときは低い姿勢のまま離れようとする
構ってほしいとき、猫は飼い主さんにくっついたり邪魔をしようとしたりします。それとは反対に、構ってほしくないときは、低い姿勢を保ったままその場を離れて一人になろうとします。
構ってほしいときと構ってほしくないときの差が極端に感じられますが、飼い主さんやみんなが過ごしている部屋から離れようとしたら、そっとしておいてあげましょう。
猫のこんな行動は何を訴えている?
猫の仕草から気持ちを読み取ることで、より猫との生活が充実したものになります。そこで、下記のような猫の行動にも注目してみましょう。一体何を訴えているのでしょうか?
甘噛みをするときは子ども時代を思い返している
猫が甘噛みをしてくるときは、子ども時代を思い返していると思ってよいでしょう。また、もっと構って欲しいという気持ちの現れでもあります。
その他に、おもちゃだと思って人の手や腕を甘噛みをすることもあれば、撫で方に不満があることを表しています。強く噛むわけではありませんが、噛まれると驚いてしまうので、その原因を知っておくと安心です。早すぎる離乳によっても、猫は甘噛みをする場合があります。
このような甘噛みは、猫に社会性を持たせるようにし、たくさん構って遊んであげることで解消されるでしょう。撫で方を変えながら猫の反応を見てみるのもおすすめです。
そして、甘噛みをしてきたときは怒らずにスルーしましょう。そうすれば、猫との適度な距離感を保つことができ、甘噛みで悩むことも少なくなります。
爪とぎや毛づくろいをしている
猫がする爪とぎや毛づくろい、単に身だしなみのためにしているだけではありません。猫の爪は元々鋭いので、伸びすぎて引っかからないように爪とぎをします。
また、マーキングのために爪とぎをすることもあります。猫の肉球には強い臭いを放つ臭腺があり、縄張りを示すために放たれます。その臭いをしっかり周りに放つために、爪とぎをしておくのです。
その他に、ストレス解消やリラックスするために爪とぎをする場合もあります。気分を切り替えるときに行なうこともあり、猫にとって爪とぎは気持ちを落ち着かせる効果もあると言えるでしょう。
気がついたらしていることの多い猫の爪とぎ、タイミングや仕方によっても猫の意図は異なっているのです。
猫はなぜ爪とぎをするの?その原因やしつけ方法・防止グッズを伝授人や物などに体をこすりつける
猫の仕草でよく見られるものに、人や物などに体をこすりつけるというのがあります。この体をこすりつけるパターンには2つあり、それぞれ意味が異なります。猫が体をこすりつけてくることがあったら、どこをくっつけてくるかで気持ちを読み取ってみましょう。
顔の横や頬、鼻などをこすりつけてくる場合
この行動は甘えている証拠です。飼い主さん以外にも猫が安心できるとみなした人に、このように体をこすりつけることがあります。ときには、喉をグルグルと鳴らしてリラックスすることもあるでしょう。
そんなときは、しっかり猫に構ってあげてスキンシップを取ってみましょう。たっぷり一緒に遊んだりして過ごすことで、猫の不安も解消されます。
頬のあたりをこすりつけてくる場合
猫が頬のあたりをこすりつけてくる場合は、マーキングをしていると思ってよいでしょう。自分のものという意味を示し、臭いを付けようとしています。また、「ここは私の場所」「この人は私のもの」といった所有権を主張していることもあります。
トイレの砂を撒き散らすときは拗ねている証拠
猫は、いきなりトイレの砂を撒き散らすことがあります。飼い主さんにとっては慌ててしまいますし、掃除が大変です。しかし、このような行動にもきちんと意味があるのです。
猫がトイレの砂を撒き散らすときは、拗ねている証拠です。
自分に注目してほしくて砂を撒き散らすことがあるので、そのような行動が見られたら飼い主さんは猫に寄り添って一緒に過ごしてあげるようにしましょう。構ってほしくて拗ねていたのなら、徐々に気持ちが落ち着いてきてトイレの砂を撒き散らすこともなくなるでしょう。
猫の仕草で天気がわかる?!
猫の仕草から、さまざまな気持ちを読み取ることができるため、示している意味を知っておくと飼い主さんにとっては心強いものとなります。仕草が意味することを理解できれば、猫との距離がさらに縮まるでしょう。そんな中、猫の仕草から天気がわかるという情報もあります。
顔を洗うと雨になる
猫が顔を洗うと、雨になるといいます。猫は、湿気を敏感に感じ取ることができるため、この湿気が嫌で顔を洗う仕草をします。
さらに、雨が近づくとますます湿気が高くなるので、大事なヒゲを整えるために丁寧に顔を洗うようになります。
猫が耳の後ろまで顔を洗うと雨が降り、耳の前で顔を洗うと曇りでも雨が降らないといいます。これは結構な確率で当たると言われているので、愛猫の顔を洗う様子を観察しながら天気を予想してみることをおすすめします。
猫の仕草をまとめたおすすめ本5選
より猫の仕草を知るために、本を見ることもおすすめです。猫の仕草は奥深いものがあります。うちの猫はこのような仕草をしたときはこんな気分のようだけど、この本の猫は違うんだと、勉強にもなりますよ。
【ニャンコ友の会】しぐさでわかる「ネコの気持ち」
こちらの本は、猫の気持ちだけでなく、かかってしまう確率の高い病気のことや多頭飼いのポイントなども書いています。突然、思い立ったかのように走り出して運動会を始める猫の気持ちなど、ぜひこちらで読解してみてくださいね。
【大泉書店】マンガでわかる猫のきもち
口コミ評価も高い本です。すべての猫好きのために出版されていると言っても過言ではない、猫の気持ちがギュッと詰まっています。ねこまき(ミューズワーク)が描く猫の絵にも癒されること間違いなしです。
【ネコとの暮らしを楽しむ会】ネコの気持ちがおもしろいほどわかる本
普段から思い込んでいた、愛猫の仕草からくみ取っていた気持ちが、本音は違うこともあります。こちらの本はその猫の本音をしっかりと書いています。どこに、どんな仕草に愛猫の気持ちが詰まっているのか、必見です。
【主婦の友社】ネコの気持ちと飼い方がわかる本
こちらの本は、Pet Clinic アニホス監修のものです。獣医師から見た猫の気持ちを知ることができるでしょう。ナイスタイミングで撮っている写真とともに、ぜひ猫の気持ちを読み解いてみてくださいね。
【NHK出版】なるほど!の本 猫のしもべとしての心得
可愛らしいイラストが添えられているこちらの本は、とても親しみやすいでしょう。わたしたちが”しもべ”が”猫様”に従うべきポイントをまとめている、ユニークでわかりやすい本です。
愛猫の仕草をチェックしてよりよいパートナーに
猫はさまざまな仕草で飼い主さんを魅了してくれる、ユーモアに富んだ動物です。その一つひとつの仕草や行動には意味があることを知れば、より愛猫との仲が深まるでしょう。
猫が信頼してくれているとわかると嬉しいですし、反対に怯えたり敏感になっているときもそばで見守ってあげることができます。猫の仕草の意味を知って、スキンシップを図ってみましょう。
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